「ひつじの皮を脱いだ絵画教室展vol.4」講師審査員賞発表!!

 


気がつけばもう年末。あっという間に師走ですね!

ついこの前まであんなに暑かったのに、急に冬がやってきてびっくりしてしまいます。

さて、そんな師走の文字に相応しく、アート界を全力疾走中のルカノーズの先生達の 『羊の皮を脱いだ絵画教室展vol.4』講師賞の発表 と、社会人クラスの展示テーマ についてご紹介します!

まず、今年の展覧会テーマの概要がコチラです💁

『今年の展覧会では、講師12名がそれぞれ「描くべき問い」をテーマとして提案。生徒たちは12個のテーマの中から自分がもっとも描きたいと感じたテーマを選び、作品を制作しました。

本展では、選ばれたテーマごとに作品を展示することで、生徒たちが何を選び、何を選ばなかったか──その「選択の傾向」自体が、教育の現在地や美術表現のあり方を映すひとつの鏡になることを目指しています。

この展示は、生徒たちが選んだ“描くべき問い”の集合です。』

そして、12のテーマを作成した講師が誰なのかは、

選ぶ際に個人的な好みや先入観が入らないよう、これまで公表されていませんでした。

では、誰がどのテーマを作成し、どのような作品が受賞したのか講師賞と合わせて発表します!

①日常の中の非日常:菊池 遼 先生

日常の中にひそむ「非日常」を見つめ直し、それを表現することで、世界の新たな見方に出会う


丸山華澄賞 / mikuj 《Graffiti Cathedral》


【コンセプト】
テーマは原宿×バルセロナ
スペインに旅行に行った時に、サグラダ・ファミリアの壮大さに圧倒され、すぐにこれを描きたいと思った。
ストリートの自由さと、神聖な建築の非日常。
相反する2つを同じキャンバスに置いた、実験的な一枚。
ステッカーと雑誌の切り抜きは、すべて原宿のショップで集めました

②未来追想録:かねこ まき先生「未来の思い出」を自由に想像し描くことで、今の自分を前向きに後押しする

大城舞華賞 / 松本有加《กินข้าวรึยัง ギンカオルーヤン?  / ごはん食べた?》

【コンセプト】
ハーブや新鮮野菜、果物をふんだんにつかった、見た目も美しく色鮮やかでおいしいタイ料理を森の中でつくってデリバリーする自分を描きました。タイの魔除けの守護神『ヤック(ยักษ์)」に見守られながら⭐︎

かねこ まき賞/ 
佐々木香子《絵本の家と光の庭》 

【コンセプト】
子供の頃夢中で読んだ絵本達。出てくるお家は森の中…小鳥の囀りがきこえて、家には蔓薔薇が咲いてるし、お部屋ではシチューが美味しそうにぐつぐついい匂い。お庭を見たら光の中で日向ぼっこする犬や猫。馬屋では馬が鳴いたり…。終の家、私が住む家。



③Sampling Smile:渡邊 香月先生

「モナリザ」を題材に、引用とオリジナリティの境界を探りながら、創造性や表現の本質を問い直す
※受賞作に該当テーマなし


④永遠の瞬間:大城 舞華先生

「永遠に残したい一瞬」を自分の感覚と視点で捉え、自由な表現で作品として残す

山田智英賞 / 野村絵美子《Eternal Moment: Light and Applause》

【コンセプト】

大学時代の指揮経験に基づき、引退コンサートのラストで客席を振り返った瞬間を起点に、 舞台を包む光と拍手の中に残る感覚を、構成と筆致で再構築した。 時間と感情の記憶を、「永遠の瞬間」として視覚的に翻訳する試み。


奥山広樹賞 / sanatoko《暴走する秩序なき経営~格闘するステークホルダー~》
【コンセプト】
上場会社は公器であり、経営者にはステークホルダー(利害関係者)の利益を守る重大な使命がある。しかし、経営者がこの使命を忘れ、私欲を満たす道具として会社を経営する例が後を絶たない。混沌とした社会で経営の高貴なる志を取り戻すステークホルダーの葛藤と苦悩を通じて“会社とは何か”を問う。



⑤場所を歩く:山内 康嗣先生

「歩く」という行為を通じて、身体・景色・時間・生きる意味を多角的に見つめ直す

茨木希美賞 / カジマ ミユキ《Throw off your old clothes》


【コンセプト】

爬虫類が脱皮するように、一枚ずつ古い自分を脱ぎ捨て、一回りずつ大きく、色鮮やかな自分になっていきたい。左右の足を交互に動かし前進することだけでなく、ひとつの場所で精進することもまた、人にとっての「歩く」「歩いていく」なのではないか、と考えた。


渡辺佑基賞 / 橋爪かおり《休憩》

【コンセプト】

息子が中学時代頃好きな言葉として「ただの怠けでなくやるべきことの間にあるもの」と挙げていた「休憩」と言う言葉。「場を歩く」というテーマのもと、立ち止まることも歩みの一部と捉え「休憩」前後の行為を左右に、否定的な言葉などを上下側面に配し休むことと進むことの関係を可視化した。

平林拳賞 / FuJ!Y《New LIfe 2025》

【コンセプト】

父と母へ

定年おめでとう

これからは好きなことを存分に楽しみ新たな人生を"歩んで"ほしい


この絵は両親宅に飾られているパウルクレー作「Red Vest」と置き換わる。海で泳いだり山を登ったり様々な場所を"歩く"両親の風景を現代家族版として蘇らせた。今を生きる家族の"一歩"を刻み込む。


ひらのまみ賞 / オダカエリ《ある日の街風景》
【コンセプト】
色付けを初めてしてみました


⑥色:菊池 敬子先生

好きな色にこだわって制作し、色の持つ力と無限の表現の可能性を楽しむ


内村みちか賞 / みよ子 《黄色い部屋》

【コンセプト】

ふたりの信頼感をもっとも表せる色はなんだろうと考え、温かみがあり優しく、浮かれすぎず落ち着きすぎない「黄色」にこだわって描いた。安らぎと期待感でふたりを包むのにぴったりな色だったと思う。


⑦私のフレーム&モチーフ:肥沼 義幸先生

「四角い枠」にとらわれず自分で選んだ支持体に描くことで、絵の本質や自由な表現を問い直す


河合正太郎賞 / 佐伯尚子《プァァァン》

【コンセプト】

私の中から湧き出てくる風景です。


堀口紗穂里賞 / norakitten《Dear my soulmate s》

【コンセプト】
時空間に存在する大切なsoulmateたちの献身に送ります。


⑧なぜ現在、それを描くのか。:松本 咲音先生

創作する理由や今この瞬間の自分と向き合い、「なぜ描くのか」を問い直す


丸山瑞稀賞 、棚橋賞 黒田竜太郎《ちょっといやなことあったけれど愉快》



【コンセプト】
自分自身が、いい感じだなと思うように描きました。誰か他の人も、いい感じだなと思ってくれるかもしれません。

肥沼義幸賞 / Hiroki Ishikawa《抜け殻》

【コンセプト】
幼い頃から、自然が造形する美しさ、とくに昆虫の外骨格の精緻な構造に惹かれてきました。無機質でありながら生命を宿すその形態は、私の美意識の原点です。
やがて、華道に出会い、空間に余白を活かして美しいものを“いける”という感覚を知りました。
近年昆虫は減少しており、自身も虫の姿や音に出会う機会が減り、彼らの存在が身の回りから遠ざかっていることを実感しています。

現在も続けているいけばなの要素を取り入れ、流木を支持体として組み上げ、翅や甲殻を思わせる素材を空間に“いける”ことを表現した作品です。失われつつある虫の気配と私の原点を重ね留めました。


⑨私について:shiori 先生

「私とは何か?」を静かに問い、自分自身と向き合いながら他者との対話を生む

菊池遼賞 / ERIKA《Polarity-Melt》

【コンセプト】
自分の内にある二面性(外向と内向、理と情、静と動、強さと弱さ...等)がゆるやかに溶け合い、一つの存在として調和していく。その地に重なる様々な感情の彩りが、多層的な私という全体性を形づくる。そんな様を、鮮やかな色彩を用いて表現しました。

松本咲音賞 / Junichi Saeki《無題》
【コンセプト】
繰り返す躁と鬱の波。その波間に見えた、鬱が終わり躁が起き上がる瞬間。

高田美苗賞 / K.H《殻の中》

【コンセプト】
生まれ落ちたポンコツ

三杉レンジ賞、山口俊郎賞 / SAYOKO KAMINO《情報の洪水》

【コンセプト】
情報にあふれる現代。無駄な情報を消費して時間が溶けていくのに、タイパをマネジメントしてできた時間で、また情報を消費して時間を浪費する……。
情報の洪水の中で私は溺れ、それでも、情報に振り回されない「空白」の時間をつくろうともがく。何もしない「空白」が、人生には必要だ。




⑩自分EXPO:奥山 広樹先生

自身の多様な内面を重ね合わせ表現し、「調和」を自己から探求する

講師賞受賞作に該当テーマなし


⑪1000年後のあなたへ:山口 俊郎先生

1000年後の未来にも人々に伝わり続ける「力」を持った、自分の本質や想いを込めた作品を描く

渡邉香月賞、shiori賞、 松本光広賞 / Sou Sankai《ふ~、つかれた。》
【コンセプト】
あ、にんげんさん、こんにちは。
どこかいたいところはありますか?

菊池敬子賞 / Mari《hysterā

【コンセプト】

封印していた欲を解き放っている。

自分はこれが好きだったんだと思い出す。

漂ってるうちに戻れないところまでいっちゃうから、

流されちゃうから、

その海に入らないようにしてたんだ。


⑫リアル/本物:
渡辺 佑基先生
テクノロジーの進化が曖昧にする「リアル/本物」をテーマに、多様な視点で表現し問い直す
※講師賞受賞作に該当テーマなし

↓12個のテーマについて詳しく知りたい方はぜひこちらをご確認ください!




いかがでしたでしょうか!
講師の先生が提示した12のテーマとそのアンサーである生徒のみなさんの作品の関係を見ていると
現代アートの面白さや奥深さを感じますね!この展示を見て来年参加してみたくなった方は是非チャレンジしてみて下さい!きっと素晴らしい体験になりますよ!


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