【事務員美術館歩き】西洋美術館「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展—美の革命」

こんにちは、ルカノーズの事務DA員 内村です。

先日ついに「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展—美の革命」へ行ってまいました。

--------------------

「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展—美の革命 

ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ

 2023.10.03(火)-2024.1.28(日)

公式サイト


展示会の概要(公式サイトより引用)

本展は全14章で構成されます。

前半は、ポール・セザンヌやアンリ・ルソーの絵画、アフリカの彫刻などキュビスムの多様な源泉を探る「キュビスムの起源」から始まり、ピカソとブラックが2人きりの緊密な共同作業によって全く新しい絵画を発明する軌跡を追います。

後半では、その後のキュビスムの展開に重要な役割を果たすフェルナン・レジェ、フアン・グリス、ロベールとソニア・ドローネーら主要画家たち、キュビスムを吸収しながら独自の作風を打ち立てていくマルク・シャガールら国際色豊かで個性的な芸術家たちを紹介します。

また、第一次世界大戦という未曽有の惨事を経て、キュビスムを乗り超えようとするル・コルビュジエらのピュリスム(純粋主義)や、合理性を重視する機械美学が台頭してくるまでを展覧します。

-----------------------


展示と縁の深いル・コルビジェ設計の西洋美術館にて
こういうスペースがあっても毎回一人で行く事務員は無人の記念撮影しかできない



今回ルカノーズでおなじみ山田五郎先生がYouTubeで解説動画を出していらっしゃったので、事前にそちらをチェックしてからうかがいました。

レポートやる気満々でしたが、ふと思う。

山田五郎が解説しているのに、私がレポートする意味あるでしょうか……💦


が、行ったからには伝えたいこともある。

些少ながらルカノーズ事務員ならではの目線で、今回の展覧会の魅力をお伝えします!

「キュビズムが従来の絵画からはっきりと峻別される点は、キュビズムが模倣の芸術ではなく、創造まで高まろうと目指す概念の芸術であるということだ」byアポリネール


事務員のテンション上がりポイント

①ピカソ・ブラックの写真撮りまくり

②レンジ先生も解説 分析的キュビズムの「切子面」

写真が普及し始めた恩恵

ミュージアムショップ


①ピカソ・ブラックの写真撮りまくり

どの美術館に行っても写真撮影が厳しいピカソ・ブラックの作品。

「今回もそんな撮れないだろな~~~」と思っていたのですが、なんとほぼ撮影可

こんな機会はもうないかもしれない。ぜひスマートフォン、ガチ目のカメラをお持ちください📸

※周りの迷惑にならないように撮影しましょう※
まだ行っていない皆さんのために作品の一部を切り取っています。
ぜひ本物をじっくり見てみてね



②レンジ先生も解説 分析的キュビズムの「切子面」

もともと美術の話には疎い事務員ですが、きちんと勉強しないと(給料が上がらないと)思い、レンジ先生のアーカイブ動画を見始めました。


よくわからんけど……


しかし、展覧会の前半に出てくる主要キーワードの一つ「切子面」

これをみてあ!レンジ先生の動画だ!とすぐに思いました。

髪が短いころの若かりしレンジ先生が見られます

切子面、先生は動画で「シーチレーション」と説明していました。

つまりダイヤモンドの断面。

このシーチレーションを絵画で構成することによって、視覚的にどのような効果があるのかをじっくり解説しています。

気になる方は、レンジ先生が参考文献にしていたロザリンド・E・クラウスの「ピカソ論」を読んでみてね!

よくわからんけど……


写真が普及し始めた恩恵


きれいなバームクーヘンかな???

(あ、太陽か……)

そんなこちら(中央)の作者は「ロベール・ドローネー」という方です。

彼は山田五郎の動画で写真がでていました。



アッファイ、イケメンんんんんんんんんんんん

このバームクーヘン描いたのなんてイケメン!!!

写真でご本人のお顔が残されるようになった時代。写真の偉大さを身に染みます。


皆さんは美術館で作品の作者の顔を想像したことがありますか?

この作品描いたのイケメン、と考えてみて下さい。

普段通り過ぎてしまう絵も、立ち止まる時間が少し長くなって、作品に対して考察する時間が少し長くなるかもしれません。



ミュージアムショップ

ミュージアムショップはお財布の大敵、というのは美術館大好き人間にとって万国共通。

私は池袋校に収める画集と、自分へのお土産を購入しました。

絵画を見直すだけでなく、キュレーターのこだわりがびっしりと詰まった図録。
今回の図録と、夏にアーティゾン美術館で行っていたアブストラクション展の図録を合わせれば20世紀の美術史をまるごと学べます。

店員さん「同じものが…3枚でよろしいですか?」

すぐいいとこのブランドとコラボする……


ステッカーが可愛すぎるぅぅぅ

お前をパピエ・コレにしてやろうか!!!

ミュージアムショップの小物がかわいいのは、キュビズムがモダンな時代に迎えられて作品自体がおしゃれだからでしょうか。

出費はいたいですが、いつもここで最後に充足感を感じますね。


【やはり山田五郎動画は見ておくのがおすすめ】

みなさんは美術館に行くと、主要な作品・ブースを観終わって、終盤に差し掛かるとサァーーーっと通り過ぎて終わってしまうことがありませんか?

私も、最初が重要でしょ!と思って前半に集中力を使いきりがちです…

しかし、今回山田五郎先生の動画を見ていると、何が重要なのか、どこが特別な展示なのかがよくわかる!

どのテーマも見逃せないことがよくわかります。

ついピカソ・ブラックに注目しがちですが、キュビズムの広がりに貢献したほかのキュビスト、画商たち、とくになかなか知るきっかけが少ない東欧・ソビエトのキュビストたちの紹介がいかに重要であるかもよくわかって鑑賞できるので、最後まで集中して展示を見られますよ!


西欧以外のキュビズムなんて考えたこともなかった

細部の模様に東欧らしさが♡



コメント