【ヨガ+現代アート】レポート リジア・クラーク特集!2/2回
2月に引き続き、3月15日に開催された【ヨガ+現代アート】でもブラジルの巨匠リジア・クラーク(Lygia Clark)について学びました。
定員枠いっぱいの参加者さんに来ていただき、今回も賑やかな会となりました。
前回は、幼いころから裕福な家庭環境で育ち、若くして結婚、出産を経たのちにブラジルとパリで巨匠と呼ばれるアーティストに師事し見事にその才能を開花させた美しいリジア・クラークが、どのように芸術と関わり唯一無二のアーティストになったのか…から、彼女の作品の展開と変遷についてみていきました。
さて2回目は、レンジ先生による、さらに深堀ったマニアックな内容の講義となりました。
私もついていくのに必死で、いまこのブログを書きながら復習です!
【講義】
1回目の講義内容は1950年代以降のブラジルのアートの流れから、リジア・クラーク自身も深くかかわったネオ・コンクレティスム(新コンクリート運動)とその周辺のお話から始まって、リジア・クラーク自身の作品についての話でした。
2回目の今回は「ロシア構成主義」「シュプレマティスム(無対象絵画)」「デ・ステイル」といった様々な芸術運動に始まり、芸術の中心がヨーロッパからアメリカへ流れていった経緯について...
そして、さまざまなアーティストたちが惹かれ影響を受けた鈴木大拙と、アメリカで彼が広めた禅との関係にも話は及びます。
このあたりは、ジョン・ケージとかオノ・ヨーコの時にも触れましたので時々「ヨ現」クラスに参加された生徒さんにはうんうんと頷いていただけますね♪
そんななかでいかにリジア・クラークが時代の最先端を走っていたか、ひとつのところに止まらず変化変容を遂げてきたかを知るわけなのですが、こういうことってその時代が過ぎて振り返ってから気づかされるもので、いままさに彼女への再評価がなされていることに深く納得するのです。
今回もまたリジア・クラークの作品を紹介したのですが、前回紹介しきれなかったものもあって・・・これはおそらく、「リジア・クラーク講座パート3」の予告編ですね。
【ヨガ】
当時流行の最先端の絵画に挑戦し、ビチョスという可動式彫刻を発表して賞を取ったリジア・クラークですが、次第に思考を超えた身体知覚の世界へと没頭していきます。
自他の融合、自然とのつながり、ワンネス、自己の内側へ向かう旅・・・彼女の後期の作品を表すのに様々なキーワードが使用されるのですが、それがまさにヨガ的なものです。
ヨガのパートではそんな彼女の代表作のひとつでもある「知覚マスク」を瞑想の一環として体験しました。
2人ペアとなって互いに触れ合い関わりあうヨガを体験した後に、マスクを被って視覚・聴覚・嗅覚を制限して自己の内面に入っていくワークです。
【作品制作】
今回挑戦したのは、
◆Caminhando(1964)
紙で作ったメビウスの輪を中心から縦にカットしていきどんどん細くしていきます。
これは、その経験そのものが作品であるというもので、観客が参加することで客体が主体となるというリジア・クラークが追求し続けた試みのひとつです。
◆Bicho/Trepante
リジア・クラークを一躍有名にしたBichosという可動式彫刻は、観客がそれに触れ、動かし、形をつくるという作家と観客の相互作用によって生まれる作品です。
そして、Trepante(或いはO dentro e o fora、或いはObra mole など)と呼ばれる、金属製の平面の薄い板に切れ込みを入れてそれをさまざまな方向に折り曲げながら立体的な作品に仕上げるもの。今回は透明なプラバンで作りました。
アーティストであるレンジ先生がすべてのプラバンに同じラフな切込み線を描き、参加者はその切れ込み線に沿ってプラバンをカットし、自由に立体彫刻をつくって着彩する作品です。これは、楽しくて綺麗で、テンション上がりました!
この作品はレンジ先生の指示だけれど、参加者が自由に形を変えて制作。リジアクラークの狙い通り、先生と参加者の相互作用で成立。今風に言うとコラボ作品?!なので、ご自身とレンジ先生、両方のサインを入れました。将来すごい値がついてしまうかも!?
【お知らせ】
2月の「リジア・クラーク特集!1/2回」で作成した 『手の対話(Dialogo de maos)』の動画をYouTubeに公開しております。
レンジ先生が編集したとても素敵な作品で、音楽は講座に参加してくださった現代音楽家の加藤綾子さんです。
是非ご覧になってください♪
https://www.youtube.com/watch?v=B67cRaxUDm8
次回の「ヨガ+現代アート」は4/19の予定です。ご参加お待ちしております。
(ヨガ+現代アートクラス講師 天野きよえ)
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